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口コミの経済学

今日紹介する本は、『「口コミ」の経済学』(田中義厚/青春出版社)です。
扱っている内容は、経済学というより経営学ですね。以下要点をまとめます。

・人間は他の個人に何かを伝えることに並々ならぬ精力を注いでおり、その一方で、日常生活を構築するための情報のほとんどを、他の個人からもたらされている。

・現代人が饒舌であるのは、承認欲求(=他人や社会から認められたい、ほめられたい、尊敬されたいと思う欲求)である。個人の営みのほとんどが金銭に換算されて、ねぎらいや感謝の言葉にふれられないこと。みんな忙しく、自分のことに精一杯で、他人を認めている余裕がないこと。自己愛の肥大化した現代人は、昔の人に比べて、より多くの承認を必要としていること。こうした現代人を癒すひとつの方法が「話すこと」なのである。自分と自分の話に興味をもってくれる人がいる。その人は自分の話を熱心に聞いてくれ、賛同してくれている。こうした状況は人間の持つ承認欲求を簡単に満たしてくれる。

・口コミを増やす条件
(1)商品(情報)の一般的な魅力
(2)熱心に不況を行う「信者」

・仮説1:口コミは情報を伝えるのではなく、その情報に対する個人の感情や解釈を伝えるメディアである
→口コミ情報の特徴:聞かれてもいないのに、自発的に話したくなる
1.個人の好みが色濃く反映されるものについての情報
2.身近な人の話題、うわさ話などの情報
3.自慢話(ヒーローになれる、自分を分かってもらえる話)
→ある人の自慢話が口コミ・ネットワークに乗るには、それを聞いた人も同じ優越感を追体験できるという条件が不可欠

・口コミで伝えられる情報の型
1.単純な文法で作られている
2.推測・憶測なじりの方が人の口コミ心に火をつける
3,「○○によれば××」という伝聞情報は信用される

・仮説2:口コミ情報は誰からも批判されない状態のまま、次々と伝播していく
ネガティブな情報ほど伝達速度が速い
ネット上の誹謗中傷に対して、こちらからも抗議や反論を書き込んでしまうのは賢明ではない。発信者はレスポンスがあることで余計に刺激され、次々と攻撃を続けてくる場合もある(138ページ)。

・人は感動を伝えたがる
人は何かに心を動かされたとき、それを人に話さずにはいられない気持ちになる。
→人を口コミネットワークに乗せるための第一歩は「お客を感動させる」こと

・口コミ戦略において、「ファンを作る」ことはなによりも大切
→ファンはいずれ伝道師になって商品の素晴らしさを世に広めてくれる。

・消費者は人間ドラマに飢えている。
すべての感動は、「神が与えてくれる感動」(=自然の美・雄大さなど)と「人が与えてくれる感動」の二つにわけられる。

・女性は全否定・全肯定/男性は部分肯定・部分否定

なかなか面白い視点が得られます。
おすすめ度:☆☆

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コメント

>立川さん

私大は早慶以外は基本的に解答は出ません。
受けた試験を気にするよりも、
これからの試験のために時間を使う方がいいですよ。

こんにちは。
早大の滑り止めで法政受けたのですが、河合のホームページで法政の解答でますか?
でるとしたらいつくらいになるのでしょうか?
教えてください。

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